入部錺金具製作所は 創業80余年3代に亘り 社寺・仏壇・仏具の錺金具を 製作する錺金具製作所です。
金属板を加工し、金槌や鏨を用いて模様を掘り、成形し、表面を金や銀で彩り飾る金具で建築物や工芸品をより美しくする装飾の役割と、より丈夫にする補強の役割を担っています。日本の建造物において歴史があり、今日まで伝統的技術として用いられてきました。現在では、実用的なものから機能的なものまで幅広く様々なものに用いられています。
江戸時代より続く伝統ある職人の町八女にて、社寺、仏壇、 仏具の錺金具の製作工房として1935年に創業。以来90年 近く錺金具の工房として製作に従事してまいりました。 先人たちの技術を敬い、自らも技を磨くことを怠ることなく 伝統工芸の営みに邁進しております。 現在は3代目の入部一臣が代表を務めております。
錺金具の技術を使用した新たな挑戦です。 3代目がオリジナルで始めたアクセサリーや日用雑貨づくり、 そこには歴史をupdateする“技術の生き残り”と新たに生まれる “現代のアイデア”が共存しています。 日本古来の模様を現在風にアレンジした作品はどこか懐かしく 新鮮に映るはずです。
錺(かざり)という漢字は「金具で芳しいほどに飾る」という言葉を一文字であらわす漢字です。長い歴史の中で培われた職人の仕事をその仕事から読み解き、理解し、自分の技を極める。先人より受取った自分たちの仕事が後世に残り続いていくように丁寧に日々精進しております。
社寺仏閣の修復などの仕事の他に、地元福岡県八女市の伝統工芸品である八女福島仏壇の組合に金具加工の錺職人として代々所属し、その技を伝承、磨き続けています。昨今では若い方々にも錺金具の技術を知っていただくためアクセサリー作りや異業種コラボレーションでの商品開発など新たな挑戦を続けています。
福岡県八女市は、福岡県の南西部に属し筑後地域とも呼ばれています。特産品の「八女茶」が有名ですが、九州一の伝統工芸の町でもあります。 ほとんどが土蔵づくりの昔ながらの町屋が今でも残っており、 国選定重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。